現JA職員が「高収益作物時期作交付金」について徹底解説します!
やまちゃんです。
本記事では、農林水産省より発表されている「高収益作物次期作交付金」について、分かりやすく説明していきたいと思います。
今現在、私はJA関係者として勤務しており、今回の交付金内容を何百名の農家さんへ向けて説明会を行いましたので交付金の内容に関しては人並み以上には理解できていると自負しておりますので、まだ内容が分からないという方へ向けて、内容発信をしていきたいと思っております。
資料に関しては農林水産省のホームページより抜粋しておりますのでそちらを一緒に見ながら、本記事を読んでいただけるとより、分かりやすいのかなと思います。
高収益作物時期作交付金とは?
農林水産省より、発表されている「高収益作物次期作交付金」って何?という疑問にまずは簡単に説明します。
新型コロナウイルス感染症の発生により売上げが減少する等の影響を
受けた高収益作物(野菜・花き・果樹・茶)について、
次期作に前向きに取り組む生産者の皆さまを支援いたします。
難しいことが書いていますが、要するにこういうことです。
高収益作物(野菜・花卉・果樹・茶)を、次期作に向けて前向きに取り組む農家さんを支援します
・種苗、肥料、農薬、資材購入費
・土壌改良にかかる経費
実際に説明会を行って勘違いされることが多いのが、令和2年2月~4月の間に出荷をした植付面積だと思われる方が多いです。
今回の交付金は、2月~4月の植付面積ではなく「次期作」なので5月以降に植付を行う面積に応じて、交付金が支払われますので注意しましょう!
高収益作物時期作交付金の対象について
では、実際にどういう農家さんが今回の交付金の対象になるのかを説明していきます。
令和2年2月から4月の間に野菜、花き、果樹、茶について、
出荷実績がある又は廃棄等により出荷できなかった生産者
※1:5月以降に出荷を開始した場合の支援対象については、今後の公募の際にお示しします。
※2:野菜、花き、果樹、茶以外の高収益作物は、都道府県と国との協議により都道府県単位で追加される場合があります。
対象になる方はこちら
- 令和2年2月~4月の間に「野菜、花き、果樹、茶」の出荷実績がある方
- 上記期間中に、生産物を廃棄した方
今年の2月~4月の3カ月間に1円でも、出荷実績があれば対象になります。
出荷実績というのは、JAへの出荷はもちろんのことで農家さんご自身で県外出荷している方も当てはまります。また、直売所のファーマーズマーケットへ出荷している方も対象となりますので間違えないように気を付けましょう。
去年に比べて、今年は2月~4月の間の売上が上がったけど対象なの?
対象です。農林水産省が2月~4月の間に出荷されたものは売上減とみなしていますので、前年の売上比較はありません。
他の補助金、交付金に関しては、前年度の売上より何割減などの条件が付いていることがありましたが、今回の高収益作物次期作交付金につきましては、前年度の売上比較は一切ありません。
なので、「2月~4月の間に出荷実績がある方」であれば、だれでも対象となりますので自分は前年より売上が上がったからもらえないんだ~。と勘違いされる方がいますので気を付けてください。
高収益作物時期作交付金の支援内容
次に、高収益作物次期作交付金の支援内容の説明をします。大きく分けて3つの支援内容がありますので一つ一つ説明していきます。
支援内容その1
高収益作物の次期作に向けた取組に対して、次の通り支援しますと記載があります。
①基本単価=>10aあたり5万円の交付 ※中山間地域は1割加算のため、中山間地域では10aあたり5,5000円の交付
②施設栽培のうち高集約型品目の単価 ※中山間地域でも1割加算はなし
=>施設栽培の花卉・大葉・わさびは10aあたり80万円の交付
=>施設栽培のマンゴー・おうとう・ぶどうは10aあたり25万円の交付
【施設栽培】の定義は記載されている通りこちらです。
・加温装置(空調装置)又はかん水装置がある施設(いわゆる雨よけハウスは除きます。)
=>ボイラー設備などがあれば施設栽培とみなされます。
基本的には①の10aあたり5万円もしくは5,5万円の交付の方が多いのではないかと思われます。施設栽培を行っていない方に関しては、②の選択肢はそもそもないということなので①の基本単価部分のみの交付となります。
中山間地域の細かい説明はこちらを参照お願いします。
https://www.maff.go.jp/j/nousin/tyusan/siharai_seido/s_about/cyusan/
支援内容その2
支援内容の2つ目となります。
次期作に向けた下記の①~③のいずれかの取り組みを行う場合に10aあたり2万円の支援します。との記載があります。
記載されている①~③の内、取り組みを1つ行うごとに2万円の交付となります。1つ行うごとなので、①~③の3つ取り組みを行った農家さんについては、2万円×3(取り組み数)=6万円の交付となります。
こちらも、支援内容その1と同じように、中山間地域では1割加算となりますので中山間地域では下記の交付金額となります。
・10aあたり2,2万円(2,2000円)
・3つ取り組みを行った場合は2,2万円×3=6,6万円の交付
支援内容その3
支援内容3つ目はこちら。
高品質なものを厳選して出荷する取組に対して、取組を行った人数・日数に応じ、1人・1日あたり2,200円を支援します。
対象品目にある通り、「花卉・茶・施設栽培の大葉、わさび、マンゴー、おうとう、ぶどう」を出荷するにあたって、高品質なものを厳選して出荷する取組を行った人数に応じて1人あたり1日2,200円の支援があります。という内容となっております。
交付対象とされる人数の基準はこちらの通り。
- 本人、家族
- アルバイト、パート等
本人はもちろん、家族や従業員等雇っている場合でも基本的には作業を行った方全員が対象になるのですが、たとえ家族であっても未成年者の場合は、「お手伝い」とみなされるため、支援内容その3の交付対象とはなりませんので注意しましょう。
支援内容その3には、作業にあたった人数と日数を知る必要があることから、作業日誌が必要になります。様式は決まっておらず、「〇〇月××日に△人で□□作業を行った。」ということが分かれば申請書類として適用可能となります。
高収益作物時期作交付金の申請に必要な書類
高収益作物時期作交付金の対象圃場
高収益作物時期作交付金の交付対象面積
高収益作物時期作交付金の申し込み方法
高収益作物次期作交付金について、理解できたかと思います。それでは本交付金の申し込み方法を説明していきます。
今回の交付金の大きな流れを簡単にします。
①生産者よりJAまたは、協議会へ申請
②全生産者の申請を取りまとめ、国へ提出
③国から申請が認められた場合、JAまたは協議会へ交付金の支払い
④JAまたは協議会より、各生産者の口座へ振り込み
協議会というのは、各市町村で立ち上げられた会のことを指します。分からなければ、各自治体に聞いてみることをおすすめします。
申請に関して、JAと協議会、どちらに行けばいいの?
っても問題ありません。JAの場合は各地区営農センターにて申請書が準備されていると思いますので営農センターにて申請したい旨を伝えてみましょう。
JAと協議会、どちらに申請したらいいの?
JAと協議会、どちらに申請したらいいのかお答えします。
・JAに出荷実績がある方=>JAにて申請
・JAに出荷実績がない農業者=>協議会にて申請
となりますので、ご注意ください。ただし、各市町村によってはJAに出荷実績がなくてもJAで申請ができる可能性もありますので、事前に確認する方がよいでしょう。
JAか協議会、どちらかで申請ができるということを理解していただければOKです。
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